平成18年度 特活だより

第51号

責任者:西川 辰彦

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◎ 特別活動が出す答えに期待

名古屋市教育委員会指導室 指導主事 川北 貴之

  • 現在、人間関係形成能力の不足、規範意識の低下、ニートの増加など、教育や社会は新たな課題を抱えている。
  • 話し合い活動は、コミュニケーションに必要な聞く力や話す力や、集団におけるルール遵守の意識などを、体験を通して育成・醸成できる活動で、これに勝るものはないと感じる。
  • 係活動などを通して感じる責任感や自己肯定感、小学校段階からの系統的な進路指導・キャリア教育によって形成される勤労観や職業観は、社会的自立の基盤となるものである。
  • 切実な課題に、特別活動がどんな答えを出すのか。期待が膨らむ。

◎ 実践から学ぶ

名古屋市学校教育研究会 特別活動研究部会長 梅本 幸夫

  • 特別活動は、好ましい人間関係の醸成、モラルや社会生活上のルールの習得、よりよい生活を築こうとする自主的・実践的な態度の育成を重視している。
  • これらは、学級づくりを行うためには不可欠な事柄のため、特別活動に興味をもたれる。しかし、まだまだ特別活動が十分に行われていないという現実もある。
  • 各学校の実態に応じた教育課程を作成することや取り組むための資料の準備が必要だが、会員の実践を知ってもらうことも大切。特別活動は、「為して学ぶ」ものである。難しい理屈よりもまず実践すること、実践を通して、成長することが大切である。

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平成18年度の名古屋市特別活動研究会だ!!

豊かな人間性を育てる特別活動
-集団活動のよさを引き出そう!-

  • 特別活動の原則は変わらない!!
    特別活動では、「望ましい集団活動を通して、為すことによって学ぶ」が普遍原則。特別活動において子どもの社会性を育て、子どもの豊かな心を育むことはきわめて重要。
  • 実践を通して明らかに!!
    18年度は、「元気に」「優しく」「前向き」になる実践をさらに進める中で「いつ」「どこで」「何を」「どのように」していくと、集団活動のよさを引き出すことができるかという指導のポイントを明らかにしていく。
  • 集団活動のよさを引き出す工夫として…
    • <実践例>「未来実現絵日記」を活用した学級活動(小学4年生)
      理想の学級の姿を「未来実現絵日記」で表現することによって、「仲良くしよう」「協力しよう」という目標を明確にすることができた。さらに、目標を達成するための「仲良し協力運動会」を計画、実行することで、仲間意識を高めることができた。

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特別活動情報

  • 「ビデオを見て学級活動を学ぼう」(6月19日 於:千早小学校)
  • 小学校学校行事研究全国大会 神奈川大会(8月3・4日 於:横浜市)
  • 夏の学級活動実技研修会(8月9日 於:教育館)
    • 「ルールづくりで学級を鍛える」
    • 「話合いで学級集団を鍛える」
    • 「人間関係を深め、仲間づくりをしよう!」

第52号

責任者:西川 辰彦

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◎ 思考表現力

名古屋市教育センター指導主事 清水 克博

  • コミュニケーション能力の育成が今、求められている。学級活動で積極的に話合い活動に取り組んでいるが、話合い活動で子どもが多数意見を出しているが、思考の再構築がないし、深まりが見られない。
  • 思考表現力の育成をしっかりと考えてみる必要があるのではないか。

◎ 名古屋から

名古屋市特別活動研究会委員長 西川 辰彦

  • 日々積み重ねている実践や研究が、全国の先生方から注目されている。その期待に応えるには、実践を磨いていくことが大切である。
  • 全国の特活をリードしていくことができるように、「名古屋の特活」の力を全国に発信し続けていきたいと思う。「名古屋市特別活動研究会」で検索して、ホームページに、ぜひアクセスしてほしい。

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社会性を客観的にとらえる -“キレやすい”児童の社会性を考察-

研究会では、児童の社会性を客観的にとらえることを目的に、昨年度、市内の6年生約1000名を対象に調査を行った。本年度は、市内の5年生約1000名を対象に、社会性に関する調査を行い、5年生の社会性を客観的にとらえることができる尺度としての信頼性を確認することができた。調査・分析の詳しい結果は、ホームページに掲載してある。

<“キレやすい”児童の社会性>

  • “キレやすさ”の男女差
  • “キレやすい”児童の社会性
  • 調査結果に対する考察

今回の調査結果から、“キレやすい”児童の社会性を高めるためには、その主張にじっくり耳を傾け、「自分が認められているという感覚」をもたせることが重要であることを改めて強く感じた。

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名古屋市特別活動研究協議会(1月31日)報告

<豊かな人間性を育てる特別活動-集団活動のよさを引きだそう!->

小学校部会<実践発表>

「伝え合い、高め合うための係発表会をしよう」

  • 係活動の中に、①活動を企画する場面、②係発表のリハーサル場面、③係発表後の振り返り場面の3つの交流タイムを設定した。
  • 3つの交流タイムによって、考えを伝え合うことが、より楽しい係活動へ高め合うことにつながるということを、児童が実感できた。

中学校部会<実践発表>

「命の大切さを実感し、共によりよく生きよう」

  • 3段階の実践を考えて指導に取り組んだ。①命の大切さを考える、②命を大切に生きる力を身に付ける、③共に生きる喜びを味わう指導
  • 3段階の実践により、今を精一杯生きることの大切さに気付き、仲間を支え、励ますことの大切さを、生徒が学ぶことができた。

<指導・助言>

  • 話合いのスキル学習は各教科でも習得できる。特別活動ではそのスキルを活用して、自他の考えをうまく調整できる能力を身に付けさせてほしい。
  • 特別活動の必要性を保護者や子どもたちにもきちんと伝えていきたい。そのためにも評価のあり方や、学校の実態を踏まえた全体計画を見直していきたい。

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講演会より(11月23日 於:ルブラ王山)

<これからの学校教育に期待すること>

講師:文部科学省初等中等教育局調査官 杉田 洋

  • 映画「三丁目の夕日より」
  • 学校行事改善のヒント
  • 学校は楽しいところ

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特別活動情報

  • 「ビデオを見て学級活動を学ぼう」(9月28日 於:橘小学校)
  • 「模擬学級会」(10月27日 於:名古屋市教育館)

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