平成16年度 特活だより

第47号

責任者:加藤 友司

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表紙 特別活動 楽しんでますか?

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◎ 特別活動を見直すきっかけに

名古屋市教育委員会指導室指導主事 辻 正人

  • 文部科学省主催の各教科担当指導主事連絡協議会で、特別活動の課題の一つとして、「評価の在り方」があげられた。
  • 個人の側面だけを評価の対象とするのではなく、個人と集団とのかかわり合いも評価の対象となるのであり、多面的にも評価することが大切になる。
  • 集団の高まりに対する評価がおざなりにはなっていないか。

◎ 子どもの社会性を培う

名古屋市学校教育研究会特別活動研究部会長 熊田 高廣

  • 子ども同士が傷つけあう悲しい事件報道から、社会性が十分育っていない、他人とうまくかかわりあいをもてない人間関係の希薄な、対人関係の未熟な人物像が見えてくる。
  • 教師と一緒に望ましい集団活動を築き上げる中で、子どもたちの社会性が培われていく。

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今年度の取り組み

社会性を培う特別活動を探る

昨年度、「社会性を培う」を研究のテーマとし、子どもたちが、集団活動の中で交流(話し合いや共同作業など、他者との双方向、多方向的なコミュニケーション)を通して、他者理解を深め、集団に寄与しつつ自己実現を図る能力を身に付けるよう指導することが「社会性を培う」ことになると考えた。

特別活動の話し合い活動では、子どもたちは、教師が行う支援や助言に含まれる価値基準に照らして物事を判断し、課題の解決に向け集団討議し、その解決策を集団決定していく。価値基準は教師でなくとも、学級集団共通の目標になることもある。(三者関係)

社会性が育ったとは、この三者関係で、子どもたちが視点をさまざまに変えてものごとを客観視できたり、他者の立場からも考えることができたり、集団の一員であるという自覚をもつことができたりするなどして、集団の中に自然に価値基準が共有化され、第三者的な存在が内面化されるようになった時と考える。

社会性が育った子どもの姿とは…

  • 「友達とかかわりあい、問題を自分たちで解決していく子どもたち」
  • 子どもたちの社会性を育てるために、小中学校でできることは…
  • みんなの考えを出し合って
  • みんなで問題を解決する
  • 今、大切なことは「みんなで考えること」
  • すなわち『話し合い』

活動例

  • 小学校 話し合いに取り組んでみましょう
  • 中学校 グループの話し合いに取り組んでみましょう

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特別活動情報

  • 学級活動実技研修会
  • 全国特別活動研究協議大会
  • 日本特別活動学会
  • 全校小学校学校行事研究全国大会 埼玉大会

第48号

責任者:加藤 友司

P1

表紙 特別活動 楽しんでいますか?

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◎ 学級集団を変える学級活動

名古屋市教育センター指導主事 中島 正明

  • 子どもたちがより楽しく自主的な学級活動に取り組むためには、子どもたちが学級の中で切実な問題点を見つけ出し、その解決に向けて納得できるまで話し合い実践することが必要。
  • 「集団決定による目標の共有化を図る場面」「目当ての実現を目指した役割分担と実践する場面」「目標がどのくらい達成できたかを振り返る場面と学級の成長を振り返る場面」をこれまで以上に工夫する。

◎ 35話完結ドラマ

名古屋市特別活動研究会委員長 加藤 友司

  • 学級活動は単発で行われるものでなく、年間35週の単位時間の中で、学級担任の意図するところによって展開される35話からなるドラマである。
  • 文部科学省は「ニート」対策の意味も含め、キャリア教育の必要性を指摘している。その内容を見てみると、かなりの部分で学級活動が担うことが考えられる。
  • 今後ますます、学級活動の重要性が高まるであろう。

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今年度の取り組み
特集 社会性の視点から学級活動を見る

話し合い活動の授業を社会性の視点から分析

活動過程を7つのステージに分割

① 議題提案場面
② 提案理由の説明場面
③ 反対意見の集約場面
④ 討議の場面
⑤ 採決の場面
⑥ 決定の場面
⑦ 振り返りの場面

交流のレベルを高めるための「5つの仕込み」の設定

  • 仕込みⅠ 原案の設定:原案の種目が苦手な子、嫌いな子の反発が予想される提案をあえて設定する。
    →交流の活発化を図る。
  • 仕込みⅡ 提案理由の説明場面:教師が「ねらい」を補説する。
    →「ねらい」の意識付けをする。
  • 仕込みⅢ 苦手な子、嫌いな子の思いを出させる場面の設定:討議の場面では出しにくいと思われる考えを掘り起こす。
    →児童の相互の交流を図る。
  • 仕込みⅣ 討議の場面:ねらいを必要に応じて助言する。
    →集団を意識した交流を図る。
  • 仕込みⅤ 振り返りの場面:話し合いの中で友達の良かったことを出し合い、称揚し合わせる。
    → 集団を意識した上での他者理解の進化を図る。

考察

④⑤のステージでの社会性は比較的低く、⑥⑦のステージになると社会が共通して高まってきた。討議や採決のステージでは、自己の思いが優先し、決定後には、学級集団を意識した思いに変わったためと推察される。このことから、仕込みⅣで、どのように助言や支援を行うかの工夫が必要であることが分かる。

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個人研究紹介

  • 一人一人がかけがえのない仲間!
    ~みんなで活動する喜びを味わう学級活動を通して~
  • みんなで役に立つことができたよ!
    ~係り活動の振り返りで、ともに成長しようとする自覚を高めて~

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名古屋市教育会後援・特別活動研究協議会の報告
『豊かな人間性を育てる特別活動』-魅力ある集団活動を目指して-

  • 小学校部会
  • 中学校部会
  • 指導・助言
    • 自主的・主体的な態度を育てるという意味で、これからの社会では特別活動の役割は極めて重要である。常に問題意識を持ち、多面的な見方をすると共に、評価の在り方を明確にしていく必要がある。
    • 「望ましい集団活動を通して個性の伸長を図る」という特別活動の原点を忘れてはいけない。子どものエネルギーを高め、方向性をもたせ、さらにそのエネルギーをぶつけ合わせてほしい。

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