第38号
発行:平成12年3月21日
責任者:鈴木 勝彦
P1
◎ これからの特別活動
名古屋市教育センター指導主事 今川 雄二
- 小学校から希望や目標をもち、自分の将来について考える機会を設ける工夫することが今後さらに重視されてくる。
- 希望や目標は、児童が豊かな感動体験から自ら学び育てるものであり、成功や失敗を繰り返し体験することで学び取っていくものである。
- 「将来どのような生き方がしたいか」を自らの課題とし、希望や目標をもって生き生きと活動する子どもを育てていけることを期待する。
◎ なすことによって学ぶ特別活動
名古屋市特別活動研究会委員長 鈴木 勝彦
- 特別活動では、好ましい人間関係の醸成、実践的な態度の育成、ガイダンス機能の充実、ボランティア精神を養う活動の充実などが実践課題としてあげられ、その解決に向けた活動の工夫や充実が求められている。
- 本研究会では、特別活動で培う基礎・基本とは何か、それが総合的な学習をどう支え、かかわり合って互いの学びを高め合っていけるのかを明らかにするため、実践研究を進めてきた。
- この「特活だより」や「研究収録」が、真の特別活動のよさ、すばらしさを伝えるものになることを期待している。
P2,P3
話合いの基礎・基本
話合いの計画づくり
- 学級活動の時間を自発的・自主的に運営するために、事前に話合いの計画を立てることが大切。
- 話合いを計画的に進めていくための係(計画委員)は輪番で行う。誰もが一度は話合い活動のリーダーを経験することで、フォロワーになったときの意識が変わる。
話合いの進め方
- 一人一人が自分の考えを勝手に発表するだけでなく、相手の意見に自分の考えをかかわらせて発言するのが話合いである。
- 話合いの進め方については、「話題を示す」、「補足を求める」、「議題にもどす」、「活発にする」といったそれぞれの場面で、司会者がどのような言葉がけをするとよいかをポイントとした事前の支援が大切。
話合いを深める発言の仕方
- 「理由を明らかにした発言」、「友達の考えに同意する発言」、「いろいろな解決方法を考えようとする発言」、「友達を認め励ます発言」、「困っている仲間や司会を助けようとする発言」など、発言の仕方を事前に指導することで、話合いを深めることができる。
教師の適切な指導
- 自発的・自主的という名の下に、放任の話合い活動ではいけない。
- 「お金を集める問題」、「安全にかかわる問題」、「学校施設を学級で使う問題」、「時間割を変えて行う問題」、「郊外へ出て活動する問題」などについては、教師の適切な助言が必要である。
P4
研究会の動向
- 名古屋市教育後援会・特別活動研究協議会
「豊かな人間性を育てる特別活動」
第1部会(小学校学級活動)「学級活動で育てたい児童の姿」
話合いまでの場面では、「問題に気付いて解決の方法を自分で考えることができる」児童、話合いの場面では、「よりよい解決方法をいろいろに考えて問題を解決できる」児童が育つことが期待できる。
第3部会(中学校)「ガイダンス機能の充実」
共に生きようとする態度を育てるために、ガイダンスに高齢者や外国人と接する体験を取り入れることで、共生する生き方を考える力を育てることができた。
第4部会(小学校)「特別活動と総合的な学習との関連」
自分の願いを実現するために話し合い、協力し合って実践していく係活動で培った力は、総合的な学習の中で生かされ、総合的な学習の中で身に付けた問題解決の力は、係活動でも生かされた。
調査研修部 「今後のクラブ・委員会活動」
クラブ活動では、児童が進んで取り組んだり、工夫したりできる活動が求められている。委員会活動では、ボランティア活動を重視していくことが大切である。
P5
個人研究紹介
- 地域に関心と親しみをもち、大切にしようとする児童の育成
-自分たちの願いを生かした学習発表会を通して- - 役立ちを考え、認め合う生徒の育成
-音楽会に向けた活動を通して-
P6
特活情報 学級活動実践講座
ヨーロッパの教育事情
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平成12年度 市特活だより(第39号、第40号)
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