第35号
発行:平成10年9月1日
責任者:前村 嘉治
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◎ 大切にしたい 現状改革の意識と実践力
名古屋市教育委員会指導室指導主事 青山 金一
- 学びの原点は、子どもの願いや思いからの出発である。そして、指導の原点は、子どもの自己実現の支援であり、夢や希望を共に語ることである。
- 教育課程審議会のまとめで公表された、授業内容の大幅な削減と総合的な学習の時間の創設等は、子どもの思いや願いに基づいた自発的な教育への転換を示すものである。
- 各学校の創意工夫に委ねられる今回の転換を特活の拡充を図る機会ととらえ、先進校の実践を参考に研究に取り組み、楽しい学校づくりへ生かしていけることを期待する。
◎ 豊かな人間性
名古屋市学校教育研究会特別活動研究部会長 菱田 功
- 教育改革の基本方針として、「豊かな人間性の育成」が、極めて重要な視点として取り上げられている。
- 県教委が行った意識調査によると、「豊かな人間性について、学校で育成すべきもの」は、第1位「協調性や助け合う心」(69%)、第2位「相手の立場を理解し、尊重する態度」(56%)、第3位「責任感」(40%)である。そして、これらは特別活動が内容とする集団活動を通して育まれるものである。
- 互いに役割を分担しながら、共通の目標に向かって協力して活動する集団活動の意義を見直し、子どもたちが、様々な感動体験を共有することができるよう、指導の在り方を工夫する必要がある。
P2,P3
特別活動と総合的な学習とのかかわり
- 「総合的な学習の時間」の具体的な学習活動として、国際理解、情報、環境、福祉・健康などの横断的・総合的な課題や児童生徒の興味・関心に基づく課題、地域や学校の特色に応じた課題などについて学習や活動を展開するように求められている。
- 特別活動も総合的な学習に積極的にかかわっていく必要がある。
○ 各学校で行われてきた総合的な学習の内容
- 教科の中単元レベルで内容を総合的に取り扱うもの
- 関連する教科の内容をまとめながら選択教科型の学習として位置付けているもの
- 教科の専門性を生かしながら、教科ごとに同一テーマでアプローチするもの
- メインテーマに対していくつかのサブテーマに分けてアプローチするもの
- 学習の興味・関心から自由に学習活動のテーマを設定し、学習を展開するもの
○ 総合的な学習の研究実践校紹介
- 「子どもの思いを大切にした総合的な学習」愛知県東浦町立緒川小学校
- 「はじめに子どもありきの総合的な学習」神奈川県小田原市立大窪小学校
- 「みんなでつくる総合的な学習」長野県伊那市立伊那小学校
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研究会の動向
- 研究主題
豊かな人間性を育てる特別活動
-生きる力を育てる活動を通して-
研究部 | 学級活動第1 | 自らの生活を向上・充実させていくことができる子どもを育てることが大切である。みんなで決定した学級目標を達成しようとする活動を通して、生きる力を身に付けるための支援の在り方を追求していきたい。 |
学級活動第2 | 子どもが問題の所在、原因の追究・把握・解決の方法等を思考する授業、そこで培われた思考力、判断力がその後の生活に生かされるような事後指導の在り方を追求していきたい。 | |
中学校 | 将来を見据えた生き方指導、広い世界に目を向け、国際理解・環境問題に取り組む指導、ボランティア等に取り組む生徒会指導といった様々な場面で、生徒の生きる力を育てる支援の在り方を追求していきたい。 | |
児童会活動 | 児童が課題意識をもち、解決を図る活動に取り組むための教師のかかわり方。つくり上げる過程を重視した活動にするための職員への働き掛け。課題意識を高め合う活動時間の確保。以上の3点に重点を置き、研究を進めることで、生きる力を育てる児童会活動の在り方を探っていきたい。 | |
クラブ活動 | クラブ活動の設置や運営の在り方を広く調査し、集約・整理し、様々な選択肢を用意することを主眼として研究を進めていきたい。 | |
学校行事 | 学校五日制に向け、授業時間確保のため、学校行事の内容や指導方法の見直しが進められている。運動会や体育大会等について、各学校での取り組み方を調査し、実施内容や練習時間の工夫等を紹介していきたい。 | |
特活入門 | 学級活動を中心とした特別活動の基礎・基本について、これから特別活動を勉強していこうとする部員を中心に学習を進めている。 | |
調査研修部 | 先行研究例を分析し、本市の特別活動の実施状況をもとに特別活動にかかわりの深い単元や題材を検討して、総合的な学習のカリキュラム案を作成していきたい。 |
P5
個人研究紹介
- 互いの思いを大切にして活動する子の育成
-地域を題材にした総合的な学習を通して- - 生き方を探求し実践できる生徒の育成
-ボランティア体験活動を通して-
P6
特活入門部会へようこそ
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平成11年度 市特活だより(第38号)
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