昭和62年度 市特活だより

第13号

責任者:吉田光武

P1

◎ 特活指導の見直し

名古屋市学校教育研究会特別活動研究部会長 尾崎 昭典

  • 知識や技能の習得にも増して、心の教育・生きざまを、体験を通して指導することが強く要求されている。人間性育成に対して直接かかわりのある実践教育が特活の特質である。
  • 小学校での学級指導と学級会の統合、中学校でのクラブ活動の運営等、特活が軽視されあやふやにされそうな動向の中、個々の教師が特活への指導の在り方・その取り組みに対して見直す必要がある。特活があやふやになれば教育の一大事である。

◎ みることの大切さ

名古屋市特別活動研究会委員長 吉田 光武

  • 学習の援護者としての教師の役割は、子供に物事を見させることである。学習の主体者としての子供は、見ることによって考えを生み出す。
  • 「なすことによって学ぶ」という特別活動の実践では、子供の実情を『見る・視る・診る』ことが大切である。「みかた」は、集団活動を通して、広がったり深まったりする。より好ましい集団活動によって、やる気は育つ。
  • 話合い活動の中で、一人一人の子供に考えを持たせる工夫や広げたり深めたりする工夫、係活動や集会活動の中で、一人一人の子供が、自分の役割を持って参加できる工夫が必要である。

P2

市特別活動研究の取り組み
<研究主題「豊かな人間性を育てる特別活動」>

  • 『学級会活動』
    • (小学校)「一人一人の心情的な高まりを図る学級会活動」
    • (中学校)「認め合い、励まし合う学級会活動の指導」
  • 『児童会・生徒会活動』
    • (小学校)「全校児童の願いや考えを取り入れた児童会活動の試み」
    • (中学校)「活動意欲を引き出す生徒会活動」
  • 『学級指導』
    • (小学校)「好ましい人間関係を育てる学級指導」
    • (中学校)「自主的、実践的な態度を育てる学級指導」
  • 『クラブ活動』
    • 「児童の主体的な活動を促すクラブ活動の指導」
  • 『学校行事』
    • 「児童の参加意欲を高め、満足感を味わわせる学校行事」

P3

研究実践紹介

  • 「『開かれた学校づくり』による『豊かな心を持つ児童の育成』」
  • 「作る、見る、使う 展覧会」

P4

個人研究紹介

  • 「思いやりのある態度を育てる学級集会活動の指導-『出し合い・認め合い・支え合い』の観点を基にした集会づくりを通して-」
  • 「学級生活向上への実践意欲を育てる学級指導-課題別グループの活動を通して-」

P5

会員紹介

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第34回小学校教育研究発表会を終えて トピックス

第14号

責任者:吉田光武

P1

◎ 特活の教育課程改善と課題

名古屋市教育委員会指導室指導主事 須田 叔男

教育課程審議会「審議のまとめ」から改善点と課題

  • 現行の学級会活動と学級指導を統合し、学級活動を設ける
  • 学校行事での体験的な活動を一層充実する
  • クラブ活動は、部活動をもって代替することを認める
  • 儀式において国旗を掲揚し、国歌を斉唱する

◎ 子供に働きかける情熱

名古屋市特別活動研究会副委員長 小島 文三

  • 特別活動は、集団の実践活動であるが、集団のみに目を奪われないで、その中の一人一人を見つめ、同時に一人一人から学び、指導に当たることを忘れてはいけない。
  • 集団の中で、一人一人が伸びることは集団が伸びることである。
  • 美しいことばの目標をかかげ、形のみうまく処理するものでは、一人一人の子供は活動の中から学ぶことは少なく、生き生きとした自主性も伸びない。
  • 「みんなで創りあげた喜び、失敗したとき友達が励ましてくれるうれしさ…」こうした活動の継続、積み上げ。これが学級のたから物になる。

P2

名古屋市教育会後援・名古屋市特別活動研究協議会の報告「豊かな人間性を育てる特別活動」

  • 提案の要旨
    • 共に実践する態度を育てる学級指導
      実践することが難しい場面を想定させ、実践できるように支援の仕方を話し合わせる。他の児童の目標に対する励まし合いをさせる。
    • 思いやりのある児童を育てる学級集会活動
      多様な集会に目を向けさせる学級指導と、考えを出し合い、認め合い、支え合って活動する集会とのセット化を図り、教師が指導性を発揮していく指導の在り方を考え実践する。
    • 協力し助け合う心を育てる指導
      遠足において班全体で取り組める学習課題(学習作品制作)を与え、班内で生徒一人一人に役割を分担させて自分の仕事に責任を持って遂行させれば、協力し助け合う心を育てる遠足ができると考え実践する。
  • 指導・助言
    • 特活も授業である~ねらいの明確化、自主的に活動できる場面をつくる、行動に移したいという意欲を高める。また、自主性を育てるための適切な指導を。~
    • 特活精神を根底にした実践を~時間数の削減が予想される。学級会活動、学級指導、学校行事の混然一体化が大切である。子供たちは未分化、内面的なものを大切に~育つのも待つのではなく、育てていくものである。~

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全小行研・東京大会に参加して「地域に根ざす学校行事のあり方を求めて」

  • 記念講演「これからの学校教育に望むもの」
    文部事務次官 高石邦男先生
    • かつては、「貧に処するの教育」であったが、物質的に豊かな生活環境になった今は、「富に処するの教育」が重要
    • 家庭の教育機能の低下や親の養育態度に問題があるような受け止め方をされるが問題の本質はもっと根深いところにあることを見失ってはならない。
    • 子供の成長過程には、厳しい環境や試練が必要で、大人たちが意図的計画的につくることが必要

P4

海外研修報告

  • スイス雑感
  • メキシコの現状を見聞して
  • イタリアの教育事情について

P5

会員紹介

P6

教育研究員 国内留学記
出会いを求めて

教育研究員 学校訪問記
子供を思う心に感激

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