昭和58年度 市特活だより

第5号

責任者:早川 宜男

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◎ 教師は指導力を

名古屋市教育委員会指導室 指導主事  鉃元 功

  • 各家庭では、電気掃除機が使われている。しかし、学校では、ほうきやぞうきんを使って掃除をしている。ほうきの持ち方・使い方やぞうきんのかけ方・濯ぎ方を知らない教師がいたら適切な指導ができるのか。
  • 特別活動は、教科のように指導内容がはっきりしていない。それだけに、的確な判断力をもち、適切な指導・助言のできる教師の指導力が要望される。

◎ 「成長を暖かく見守る」という心構えで

名古屋市特別活動研究会 委員長   早川 宜男

  • 「がんばってやり通した」「うまくできた」「やってよかった」という、成就感・成功感・満足感を特別活動では重視したい。
  • 「育つのをじっと待つ」を大切にしていきたい。
  • 児童生徒の興味・関心を重んじ、少々の失敗があっても、直ちに干渉したり、援助 したりすることは控え、成長を信じて暖かく見守りたい。

P2

今年度の取り組み

部会小学校中学校
学級会 一人一人が自分の問題としてとらえ、深まりのある話合い活動とするための効果的な指導のあり方を追求する。 議題の選定・リーダーの育成・企画委員会の指導・係活動の活発化・朝の会と帰りの会の指導を研究する。
児童会・生徒会 企画児童と参加児童の希望・願いをかなえる活動を研究する。 生徒会指導上の問題点を出し合い、具体的な解決策を研究する。
クラブ活動 クラブ活動指導上の問題点を出し、最善の解決策を研究する。 クラブ活動指導上の問題点を調査し、結果を分析して、解決策を探る。
学級指導 具体的な事例をもとに、効果的な指導と留意すべき点を研究する。 快適な学校生活を送らせるための具体的な実践を研究する。
学校行事 学校行事の成功を左右する、各学級の事前・事後指導のあり方を研究する。

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研究実践校紹介

自らの力で問題を解決する子どもの育成
生徒との接点を求める「瞑想の時間」の実践

P4

個人研究の紹介

生徒集会を通して連帯感を育てる指導 -球技大会にふれあいの場面を求めて-
所属意識を強める適応指導 -相手の立場を理解させる指導を通して-

P5

会員紹介

P6

全小行研・大阪大会に参加して

集団の中で個が躍動し、豊かな人間性を求めていく学校行事

第6号

責任者:早川 宜男

P1

◎ 名古屋市教育会後援・特別活動研究協議会の報告

名古屋市特別活動研究会委員長 早川 宜男

名古屋市教育会後援・特別活動研究協議会
豊かな人間性を育てる特別活動

  • 昭和58年11月2日、特別活動研究協議会が名古屋市教育センターで行われた。
  • 提案のテーマ
    • 活動意欲を高める係活動の指導(小学校)
    • 実践意欲を高める委員会活動の指導(小学校)
    • やる気を育てる学級指導(中学校)
  • 助言者より
    • 特別活動は、筋のないドラマ。教師の適切な指導・助言が必要である。
    • 係活動は「する係活動から、つくる係活動」へと歩んでいく姿が理想である。
      また、教師の期待と子どもの実態とのずれを少なくすることも大切である。
    • 正しい勤労感は、①働くことに喜びを感じる体験 ②協力して実践することが大切であると分かる体験 ③自主的に計画し、実践して自信が高まる体験
      の積み重ねにより育つ。

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◎「ある母親の手記から」

名古屋市立春岡小学校長 安藤 孝允

県教振の「わが家のしつけシリーズ」第1集に、「自主性としつけ」と題した作文が有り、「日本の教育は家庭でも集団の場(幼稚園)でも自主性が育ちにくい状況にある」とある。フランスの幼稚園では、「クリスマス会」を行う場合、当日までは保護者には何の連絡も無い。当日は、その内容は上手とは言えないが、子供が精いっぱいがんばる姿がある。日本の幼稚園では「クリスマス会」に向けて、一ヶ月も前から母の会が招集され、衣装を作ったり、舞台装置を作ったり、子どもに台詞を覚えさせたりして、当日は素晴らしいできばえとなる。

日本の教育は、結果を重視するあまり、過程で親や教師が手を出す。子どもは言われるがまま行動するだけで、この機会に育つべき自主性が摘み取られている。

これは、小学校にも当てはまる。学校行事が、量だけでなく、質の向上も問題にされるが、具体的にはこのような面からの見直しも必要である。

◎「個人差に応じる」

名古屋市特別活動研究会 副委員長 菱田 功

教育改革の大きな波は、学校の実態や社会の変容についていけるような教育を、個人差に応じて行うという方向をもって具体化されようとしている。まさに、特別活動の目標と同じであることに気付く。

各学校の実態を見極め、個性に合わせて指導を進めることは、特別活動の最も基本的な指導の方法といえる。

これまでの研究で培われた、たしかな指導の原理に基づき、それを応用した個性的な指導を今後ますます充実・発展させていきたいものだと思う。

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海外研修報告
「イタリアの教育視察を終えて」

P4

研究実践紹介

  • 理想の道は遠くとも、明日に向かって元気よく
  • 生活に根ざした体力づくり

P5

会員紹介

P6

教育研究員・教育研究派遣員報告

  • 教育研究員・内地留学記  「心を育てる教育を」
  • 教育研究派遣員・学校訪問記  「栴檀は双葉より芳し」

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