特活指導者が中学校の進路指導を進めると、子どもたちはどう育つのか?
特活指導者が進路指導を行うと「自分を見つめる力」と「かかわる力」が育ちます。
「自分を見つめる力」とは,自分を肯定的に見つめ,自分がしたいこと,できることを理解し,挑戦していく力のことです。
「かかわる力」とは,クラスの仲間とのかかわりをベースにして,自分を取り巻く環境(社会),そして,将来の生き方や生活(未来)に主体的にかかわっていく力のことです。
これらの力を育てるためにはクラスの力の必要です。クラスの中で一人一人が役割を分担し協力して取り組んだり,互いのよさを認め合って取り組んだりする中から「自分を見つめる力」や「かかわる力」が育っていきます。
中学1年生
1年生では,「自分を見つめる力」を育てていくために,ふだんから朝の会や帰りの会などを利用して「いいとこ見付け」を行ったり,係活動や学校行事を行った後に,互いのよいところを見付け合ったりするような活動を行います。この時,特活指導者は「自分のいいところを生かして何かできることはないかな?」と声掛けします。そうすることで,自分ができそうなことを考えて,自発的に活動できるようにしていきます。
中学2年生
2年生では,自分を取り巻く環境にかかわっていくために,クラスの枠を出て,身近な社会に対する視野を広げることができるようにしていきます。
例えば,「職場体験学習」では,特活指導者は,職場体験学習の目的を子どもたちに話し合わせます。大きな声であいさつすることや職場調べをすることが目的ではありません。実際に働くことで
・ 働くことの現実を知り,社会に対する視野を広げること
・ 自分のできる可能性や限界に気付くこと
が職場体験学習の目的です。この二点を共通理解させたうえで取り組ませることで「社会とかかわる力」と「自分を見つめる力」を育てていきます。
中学3年生
3年生では,自分の将来の生き方や生活(未来)にかかわっていくために,中学校卒業後の進路について,主体的な選択・決定ができるようにしていきます。
例えば,「志望校を選ぶ時のポイント」といったような話し合いでは,互いの選ぶ時のポイントを伝え合い,どのようなポイントで高校を選ぶとよいかをクラス全体で話し合うことで,主体的な選択ができるようにしていきます。特活指導者が大切にしているのは,進路を選択・決定したあとも,互いに励まし合いながら活動できるような「あたたかい」クラスづくりです。そのために,行事や係活動などの取り組みを通して,日頃から互いの頑張りを認め合えるようなクラスづくりを心掛けています。
次ページへ
Q15 特活指導者が教務主任になると、どんな学校運営が期待できるのか?
目次へ
目次ページ