学級担任として特活を指導する楽しさとは何か?
「先生、学級のみんながだれでも楽しめるお楽しみ会になるように、みんなが納得できるように、次の時間も続けて、学級会がやりたいです!」「今まで頑張ってきたことをみんなに伝えたいから係活動の発表会がしたいです!」など、子どもたちから、学級活動を行いたいという声を聞くことができたときに、学級担任として特活を指導する楽しさを感じるのではないかと思います。
ただ、この際に気を付けなければいけないことがあります。それは、ただ学級のみんなで遊びたいから、学級活動を行うのではありません。残念ながら、「学級活動=学級の遊びの時間」と誤解されている場合が少なくないのではないかと思われます。学級担任として、まずは学級活動の時間をしっかり確保して、「学級の遊びの時間」ではない、話合い活動や係活動、集会活動などの「学級活動」の経験を積むことが、まずは大切なことだと思います。
今一度、「学級活動」の意味を子どもたちに伝える時間を確保することも必要ではないかと思います。特活は、教科指導と違い、担任の学級への思いをストレートに伝えることができます。子どもたちと何かを共有する楽しさをぜひ感じて欲しいと思います。また、当番活動と係活動の意味についてもおさえるなど、基本的なことから学級の見直しをすることも大切なことだと思います。
そして、自分の学級の子どもたちが自分たちで企画・実践した学級活動に全員が楽しんで取り組んでいる姿を見たときに、学級担任として特活を指導する楽しさを実感するのではないかと考えます。
「子どもたち自身が考え、子どもたち自身が企画・実践」
①子どもたち自身で企画
4年生を担任したときの話です。私は、毎年、学級の歌を作り、ギターで子どもたちと歌いながら、学級作りを行います。この年も、例年と同じように、学級の話合いで学級の歌を作り、全員で歌う毎日を過ごしていました。1学期の終わり、子どもたちから「お楽しみ会をしたい」と訴えがあったので、「自分たちで企画してごらん」と答えました。すると、「のどじまん大会」という名前で会を開くことになりました。歌を取り入れたお楽しみ会です。一般的な「お楽しみ会」を予想していましたが、それまでの学級経営の中心に置いていた歌を取り入れた学級活動を行いたいという子どもたちの姿に驚きました。
②子どもたち自身で課題見付け
1学期の「のどじまん大会」では、初めての試みであったので、「ああすればよかった。こうすればもっと盛り上がった」と子どもたちが自ら課題を見付け、全員が楽しく参加できるための改善点を話し合いました。特に、「歌が苦手な子があまり盛り上がっていなかったから、学級の全員が参加できて楽しめるようにしたい」「歌だけでなく、一人一人が得意なことを発表できるようにしたい」など、全員のことを考えている姿には感心しました。
③子どもたちが喜ぶ結果へ
試行錯誤の結果、2学期の終わりに2回目の「のどじまん大会」に取り組みました。内容は、一般的な「お楽しみ会」になりましたが、そこまでの過程は子どもたちにとって、かけがえのない大切な時間だったと思います。
盛り上がった会の最後に想定外のことが起こりました。「WAになっておどろう」の替え歌で私に向けて、「先生いつもありがとう~」と感謝の歌をドッキリで歌ってくれたのです。4月から、歌を通した学級経営を行っていた私にとって、これ以上にうれしいドッキリはありませんでした。「学級担任として特活を指導する楽しさ」とは、日頃の指導の積み重ねを子どもたちが生かし、「自分たちで企画・実践している様子を見ることができるうれしさ」だと実感しました。
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Q03 特活指導に教科書がないのはなぜか?
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