特活で育てることができる子ども像とはどんなものか?
特別活動では、集団活動を通して、温かい人間関係や子ども一人一人の自主性が育ちます。
学級で話し合ったり、係の活動を行ったりするときなどに、一部の児童の考えだけで話し合いや活動が進んでいき、その他の児童はただだまって聞いているだけといった場面がしばしば見られます。しかし、このように一部の児童だけが活躍するのでは、子ども一人一人の成長にはつながりません。では、どのようにしていけばよいのでしょうか。
一年間を見通して段階的に行う集団活動を、学期ごとに見ていきましょう。
一学期
一学期には、学級でのルール作りや学級会をはじめとした話し合いの基礎を作ります。このとき、司会や書記などの計画委員を輪番制にし、全ての児童が行うことができるようにすることもポイントです。この時期には、学級が好きという気持ちやだれもが安心して意見を言うことができる雰囲気作り、お互いを知ることなど、温かい人間関係のベースになる部分を築きます。
二学期
二学期には、自分たちで計画したことをやり遂げる経験ができるといいです。学級の問題点を解決するためにはどうしたらよいかや、もっとよい学級にするためにはどうしたらよいかについて、自分たちで考え、活動を行います。このとき、一部の児童だけでなく、全員で考え、活動を行うことが大切です。そのために、一学期に築いた基礎が重要になってきます。活動を振り返ったとき、「自分たちで考えたんだ。」「自分たちでこんなことができた。」と感じられるといいと思います。
三学期
このような経験をして一、二学期を過ごしてくると、三学期には、担任がいなくても、自分たちでどうしたらよいか考えて、行動することができるようになってきます(自主性)。また、学級全員で1つのことをやり遂げた経験やどの児童も思ったことを言うことができるという安心感、心から学級が好きという気持ちなどから、児童の間にはより温かい人間関係が築かれていきます。
全員が活躍できる集団活動を通して、個が育つ。一年間が終わったとき、担任が細かく指導しなくても、また担任がかわっても、自分たちで考え、行動することができるようになっているといいと思います。
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Q02 学級担任として特活を指導する楽しさとは何か?
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