平成27年度 名古屋市特別活動実践研究会調査部のまとめ

「アドラー心理学の共同体感覚」について

『今日から始める 学級担任のためのアドラー心理学』
岩井俊憲 会沢信彦著 図書文化より

資料のみどころ

学級担任のためのアドラー心理学表紙

子どもたちが、問題行動を起こした際に教師は厳しい叱責をしがちである。

あるいは罰を与えて、子どもに問題行動を起こさせないようにする。

著者は、アドラー心理学の考えに則り、厳しい叱責や罰では問題行動はより強化されて繰り返すだけであると考えている。

そうではなく、「共同体感覚」を育むことで、問題行動への予防的アプローチとなると考えている。

共同体感覚とは、生まれつき備わった潜在的な感覚であり、他者や世界への関心、所属感、貢献感などを要素とする意識である。こうした感覚を育むと、自分の利益のためだけに行動するのではなく、共同体のためにもなるよう行動をすると言われています。

共同体感覚を育むことができれば、子どもたちが自ら目標を達成する課題を見つけ、主体的に課題を解決していくことができると考えられている。

さらに、著者は次のように述べている。

他者や世界に関心を持ち、自分の所属する共同体に所属感や貢献感があり、お互いが尊敬し合う関係で信頼感で満たされ、お互いが競争原理ではなく協力原理で結ばれているような感覚やそんな意識である。

また、Q-Uにおいて学級生活満足型学級は、

高い共同体感覚を有した子どもからなる学級である

と紹介し、大人も含め、様々な問題行動が起きる要因は共同体感覚の欠如からきていると考えられている。

<こんな実践を紹介します>

活動①「輪になって座る」

椅子を使って輪になる。全員が顔を見合わせられるようにする。誰と隣になるか?どうやって輪になるかなどが議題になることもある。輪になることにはたくさんの学びが含まれている。

活動②「ありがとう見つけ」

ありがとう見つけを行う。隣に座っている人にありがとうを伝える。ぬいぐるみなどのトーキングスティックを回して、言っていく。パスをすることもOKにして、安心して互いを認め合う活動を行う。

活動③「議題の話合い」

教室に議題箱と議題を書く紙を置く。議題箱に入った議題を、ありがとう見つけと同じ様にトーキングスティックを回して解決方法を考える。

学級みんなが関わる議題や個人に関わる議題など、あらゆる議題を話し合う。学級みんなが関わる議題は、みんなで解決策についてを決める。個人にかかわる議題は、個人がどの解決策にするか選んで実行する。

(挙げられる議題の例)

  • 学級の男女がもっと仲良くなるための計画をしませんか。(学級みんな)
  • 読書の時間にみんなが本を読まないで、遊んでいます。どうしますか。(学級みんな)
  • 登校中に下級生が並んでくれません。どうすればよいですか。(個人)
  • 明日、ピアノの発表会があります。緊張します。緊張をなくすには?(個人)

この議題の話合いによって、たくさんの問題を解決したり、アイデアを出し合ったり、助けてもらったりする経験をすることで、勇気をもって自分たちの周りの問題を解決しようとする態度であったり、周りの友達と協力し合ったりしていこうという態度を自然と身に付けていく。

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