「クラス会議」「クラス・カフェ」について
『自ら向上する子どもを育てる学級づくり』
赤坂真二 編著 明治図書
資料のみどころ
教師や親がいなくても、困難を乗り越え、人と関わりながら課題を解決する能力こそが、学級や授業など学校生活で身に付けるべき力という考えに基づき、「学級を自治的集団に育て、最高のチームにする」取り組みについて、具体的な流れとそのポイントをまとめてある。
学級や授業、行事への取り組みなど、学校生活の様々な場面での実践例が数多く掲載されており、その中の一つとして「クラス会議」「クラス・カフェ」が紹介されている。
(1)クラス会議とは
「アドラー心理学」の考え方をもとにジェーン・ネルセンの書籍から赤坂真二氏が開発した話合いの手法の一つ。全員で輪になり、議題(生活上の諸問題・個人的な悩み・願い等、みんなに話し合ってもらいたいこと)に対して全員で解決策を考える活動。定期的に話し合うことで、自治的な集団を育てていく。形態もサークルや一部カフェ形式を取り入れる…と様々なバリエーションがある。
【クラス会議の価値】
- 自分たちで問題を解決する姿勢が子どもたちに生まれる。
- 考え方の共通点や相違点を知り、解決策を共有することで、規範意識を育む。
- 学級への所属感や信頼感、貢献感を一人一人が感じられるようになる。
(2)クラス・カフェとは
「クラス・カフェ」とは、赤坂真二氏がつくった造語で、ファシリテーション型学級会と本書では説明されている。ワールド・カフェの会話の手法の中から、学級会に取り入れられるものを選択して作成したものである。
【クラス・カフェの流れ】
- 輪になってスタート
- 議題提案
- グループ(4~5人)での話合い(5分)
- メンバーチェンジ(5分)
- メンバーチェンジの方法
グループのメンバーは、すべて別のグループのメンバーと集まるようにする。こうすることで、子どもたちは前のグループでの情報をもって集まることができ、多くのグループでの話合いの内容を共有することができる。
- メンバーチェンジの方法
- 再び輪になって全体での議論(25分)
(3)自治的活動の評価方法
「行動観察」「振り返り」「ポートフォリオ」「感想交流」などの方法が、シート例・設問例と共に紹介されている。また評価の生かし方についても紹介されている。
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