特活を学んでよかったと思えることとは?
今まで、特活を学び、実践をしてきた中で、「よかった」と思えることを3つ上げます。
① より多くの子どもが元気になる
どの教師も子どもが元気になってほしいと思っています。子どもが元気になるには、教師が肯定的な評価をして接することが必要です。「国語の本読みが上手だ」「体育では顔が輝く」等々です。このような評価をしながら子どもに接すると、子どもは得意な分野でより一層活躍したり、得意な分野を広げようとしたりして、元気になります。
しかし、現実はそう甘くありません。学習も運動も苦手、自信がないから授業中はできるだけ目立たないようにしている…。教科等をメインに見ていると、「評価をしたいが、うーん、困った…」という子どもは、学級に少なからずいるのではないでしょうか。
特活を学ぶと、子どもたちに対して、別の見方ができます。「いつもは目立たないのに、係の活動では、好きな絵をポスターに描き、その出来栄えにみんなが感心していたな」「異学年のふれあい集会では、下学年の子にとても優しくしていたぞ、普段の学級では見られないな」などと、人間関係を重視する特活ならではの見方で、評価ができるようになります。
教師がこのような評価をして子どもに接すれば、その子どもは変わります。「先生は自分を分かってくれる」と思うようになります。そうなれば子どもは自分から教師に話しかけるようになります。また教師の評価を聞いた周りの子どもたちも「○さんはすごいね」と感じるようになり、その子どもに進んで関わるようになります。このような好ましい連鎖によって、より多くの子どもが元気になります。そんなときに教師として「特活を学んでよかった」と思います。
② 教室が子どもたちに「かけがえのない場所」になる
特活を学ぶ教師の教室は、一歩足を踏み入れると雰囲気が違います。やたらと子どもの書いた(描いた)掲示物が目立ちます。「係のポスター」「係からのお知らせ」はもとより、「みんなのいいところ」を書いた、毎日増えていくたくさんのカード、「運動会(学芸会・展覧会)に向けて」と題した一人一人のがんばりカード、学級会の議題を募集するお知らせや議題ポスト等々…。それらからは子どもたちの力強さが伝わってきます。
また、そのような環境で子どもたちが1年間生活すると、教室に愛着がわいてきます。子どもたちが3月末の大そうじで教室を見まわし、「1年間がんばったよなぁ、このカードやポスターをはずすのは、もったいないなぁ…」と話し合っている様子を見た時に、教師として「特活を学んでよかった」と思います。
③ 子どもたちの活動が教師の予想を超える
特活を学んでいる教師は、例えば係活動の指導をする際、子どもたちに「こういうアイデアもあるけれど、どう思う?」「みんなの意見はどうなのかな?」と問いかけます。子どもたちが、自分たちで問題を解決できるように支援を行います。こういう支援を地道に続けると、子どもたちは活動をする際に「こうしてみたらどうだろうか」という考えを自分でもつようになります。教師はその成長を喜び、「よく考えたね、これなら学級のみんなが楽しめそうだね」などと声をかけます。この声掛けが自信につながり、子どもたちの発想する力や実行する力を大いに伸ばします。またその力の伸びに教師自身が驚かされることもあります。
例えば3学期になると、お別れの学級集会を開くことがよくあります。
集会当日の初めやおわりのあいさつが、練習の時よりもはるかに立派だったり、うまく活動できていない友だちをさりげなくサポートしていたり、活動終了後には教室が割れんばかりの拍手につつまれたり、という、予想できなかった子どもたちの活躍をいくつも見ることができます。
集会後の先生のお話で「君たちの活躍は、先生の予想を超えました。本当にすばらしいです!」と話した後に見せる、子どもたちのうれしそうな顔を見ると、教師として「特活を学んでよかった」と思います。
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■ 開発部部員
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